2015年11月30日月曜日

ロマンとソロバン(マツダの技術と経営、その快走の秘密)




言い方は悪いが中国地方の国内占有率5%程度の小さな自動車メーカー「マツダ」
ここ数年は発売する車が軒並みヒットし、企業イメージ、ブランドともに注目を浴びている。
2000年頃から世間ではエコカー、ハイブリッドカーなどが話題となり、
資金の無いメーカーはいかにして次世代の車造りをしていくのか悩ましい時期だったと思う。
そんな中、当時はアメリカのフォード社傘下だったマツダが大きく変革してゆく様子が描かれている。

マツダの考えはこうだった。
“従来の内燃機関の性能向上を図ることを核にして、マツダ車の燃費、環境性能を劇的に向上させる、という一点。
具体的には2008年から2015年までの7年間で、世界中で販売するマツダ車の平均燃費を30%向上させる目標をたてていた”
(2007年)
当時このニュースを聞いた私は素直にマツダがカッコイイと思った。
小さい会社なりに企業が存続する術をできる範囲で考えるということ。応援する気持ちが湧いたものだ。

そして現在、平均燃費30%向上は実現し、
欧州とは違う考えて開発したクリーンディーゼルも成功し、予想を上回る販売数。
発売する車はヒットの連続。
そこには基本に忠実であり、原則に則り、社員の事も考え、消費者に向いて真面目に取り組む姿勢があったからこそ。

本書では車造りにおける夢やロマンを持ちながらもソロバンをはじく事も忘れてはならない事実。
リーマンショックの影響や東北大震災の影響、フォードとの関係を乗り越え、
社内各部署の改革まで描かれており、本年(2015年)4代目ロードスター発売でスカイアクティブラインナップが
一巡するまでの道のり、ロマンが記されている。

数々の苦境や困難を乗り越えてきたことがわかる本書を読んで益々マツダが好きになった。
今は次なる3年の計画が始まったところのようだ。
少なからず今のマツダの方針に否定的な人もいるようだが、
「スカイアクティブも次の世代まで行かないと本物かどうかわからない、本物にならない限り、マツダのブランドも確立しない」
と小飼社長の引き締める思いがある限り大丈夫だとは思うが、
足を踏みはずさぬように進んでもらいたい。
今後もどのように成長するか楽しみであり応援したい。

なんだかんだで未だマツダ車に乗った事が無いが、次の車こそはマツダにしたいと思う。


この本を読んだ後にこの動画を見ると感動した。(2005年頃の作品)

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