「答えは必ずある
逆境をはね返したマツダの発想力」
を読んだ。
マツダに関する本は以前に「ロマンとソロバン」を読んだが、
今回もスカイアクティブ技術の成り立ちが書かれている。
本書は現在マツダ常務執行役員の著書で、
以前は開発をされていた方でスカイアクティブ技術をリードされていた方。
内容は「ロマンとソロバン」が被る事が多いが、こちらは実際に携わっていた方の
証言なので重みが違うと感じた。
電気自動車の普及がいかに難しいか、
CO2排出の問題は、原油採掘から生成時までかなりCO2が排出され、
(電気自動車が)走行時にCO2が排出されないとはいえ、
製造までに大きな問題があるということ。
また、ここまで日本で自動車が普及していることから、
(現在約6000万台)多くが電気自動車に変わった場合の
発電問題、充電問題、インフラの問題は決して容易くないという事。
グラフでの説明もあり説得力があった。
そもそも、マツダは次世代の自動車をハイブリッドでもなく、
電気自動車でもなく、従来のエンジン(内燃機関)で勝負に出るというニュースが
流れた2006年。
小さい会社だから資金の問題とかあるだろうが、できる範囲内での可能性を求めて
勝負にでるその姿勢がカッコ良かった。
期待させられるものがあった。
本書を読むと、それ以前と以後で社内が随分変わったのだろうと思う。
実際に欧州のCO2問題にも直面し、いわば背水の陣だったかもしれない時期に
変革しなければいけない。
そのいきさつが書かれていてチャレンジする姿勢が素晴らしい。
内容的には「ロマンとソロバン」のほうが濃いようだったが、
本書はビジネス的、マネージメント要素が強いと思う。
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