幸いにも演説の中継をテレビで鑑賞できました。
あまり深い知識は無いのですが自分なりに思った事を書いてみます。
現職のアメリカ大統領として初の広島訪問という事で注目を浴びたのは
皆ご存じの事だと思います。
感想として、オバマ氏のスピーチは上手く、
どこか惹きつけられるエネルギーを持っており、核廃絶の世界を思う希望ある内容で、
被爆国、被爆者に対する哀悼が伝わるもので、美しく映りました。
そして、アメリカ国民、アメリカの退役軍人、日本また韓国にも限りなく波風が立たない
非常に練られた内容だったと評する人もいますが同感です。
しかし、どうしてもおかしく感じる内容があります。
スピーチは長いものでしたが、以下のような内容があります。
核兵器なき世界を追求しなければなりません。
暴力的な競争をするべきではありません。
もはやこれ以上、私たちは戦争は望んでいません。
平和を願い思う素晴らしい内容です。
しかし、現実問題、アメリカはロシアと肩を並べる世界でトップレベルの
核保有国です。
その自国で廃絶しかねている核兵器を棚に上げて言える内容とは思えないと感じます。
ましてや核兵器を持っていない日本で言う事はおかしいのではないかとも思います。
このスピーチで未来が平和的になることに期待するのは良いと思います。
しかし、悪の根源は核兵器だという訳ではなく、
オバマ氏も言っている私たちが根絶することができないかもしれない
“人間が邪悪な行いをする能力”なのです。
結局のところ、各国のトップ、軍事関係者は、核の威力、戦争の悲惨さは百も承知だと思います。
人類の歴史上、延々と繰り返された戦争が残すものは知っているはずです。
昔と今ではメディアの違いは大きいですが、原爆の威力、被害は
71年経った今よりも、
その投下された当時の情報のほうが相当にリアリティがあり、
世界各国に伝わっていたと思うのです。
その後核兵器が増え、核武装が増えたのは核の威力を知ったからに他ならないのです。
殺戮、犠牲、悲惨さは、戦争という事象では当然なのです。
だからどうすれば変わるのかというと、
オバマ氏のスピーチの最後にある「私たちの道義的な目覚め」だと思うのです。
ようするに、“核兵器だけ”が悪いのでは無く、ミサイルでも竹やりでも悪いのであり、
根本的な人間の倫理、道義、道徳の向上なくしては戦争は無くならないと思います。
今回のスピーチで世界にどれほど影響を及ぼすかはわかりません。
大して影響は無いかもしれません。
しかし、少しでも意識が変わる人が現れれば意味あるスピーチだったのではないでしょうか。
参考URL
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