前回の「禅の食」を読んだ勢いで続けてこの本を読んだ訳ですが、「典座教訓」の原文と解説になっています。
170ページほどの薄い文庫本ですが、読み応えはあります。
お寺の典座における料理の心得、食事の心得が書かれており、大切に食べ物を扱うこと、食べる人の事を考えて作ること。
僧侶は仏の子でもあるから典座は仏を育てる事でもある貴重な役割であることなどの思想も書かれています。
そもそも道元禅師が典座教訓を書かれるきっかけになった宗(中国)で典座をされていた老僧に出会うエピソードも書かれています。
最後には禅の教えである「三心」(喜心、老心、大心)についても書かれてあり、典座がただの料理番ではなく大切な役割を担い、且つ自己の成長させることができる世界だということです。
道元禅師、藤井宗哲氏、柿沼忍昭氏、そしてお釈迦様の全ての教えが散りばめられている本だと感じました。
仏教伝来はいろいろなルートがありますが、永平寺が誕生のエピソードもあり、これを読むとやはり永平寺には一度足を運びたいと思ったのであります。
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