2015年2月15日日曜日

論語 其の11

子、四(し)を絶つ。意なく、必なく、固なく、我なし。



「先生には、次の四つのことがけっして無かった。
自分の私意で勝手にやる「意」がなく、
なんでもあらかじめ決めたとおりにやろうとする「必」がなく、
一つのことに固執する「固」がなく、
利己的になって我を張る「我」がない。」

斎藤孝著「声に出して読みたい論語」より


「人間の我執をできるだけ少なくするための心得を四つの方向から務めるのが有効である。
一、感情的な面子意識を抑えて無用な反発を避ける。
二、できそうも無い目標を勝手に掲げて、それに拘る心の粘りを解く。
三、思い込んだら命がけ、という風に後先を見ずに突進せぬよう歩みを緩やかにする。
四、自尊心の水位を多少下げる。」

谷沢栄一著「知識ゼロからの論語入門」より


コメント

今回は、二人の訳を掲載してみました。
原文は同じでも多少解釈に違いがあり面白いです。
この言葉のキーワードは、
「意」=私意(自分一人の考え)
「必」=拘り
「固」=固執
「我」=自尊心、我執
だと思います。

斎藤氏は物事がうまくいかない原因は「思考の固定化」と言っています。
よくないものは捨て去り、そして変化するという事が大切です。
谷沢氏は解説に自尊心(プライド)はもともと人に備わっているものだから無くす事は無理だと言っています。しかし自尊心をできるだけ下げることにより謙虚になれると言います。
そして「譲る」という精神を指針にすることが大切と説いています。

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